音盤紹介:クリスティによるモーツァルト/レクイエム
公開日:
:
最終更新日:2014/07/02
音楽のこと
モーツァルトの白鳥の歌でもあるレクイエムは、
最初の入祭唱から引きずり込まれるような魅力を持っています。
モーツァルトは「ラクリモーサ」までを作曲、
その後は断片が残っているだけでしたが、
弟子のジェスマイヤーが補筆完成し、
レクイエムを発注したフランツ・フォン・ヴァルゼック伯爵の元に届けられました。
ヴァルゼック伯爵の名前で出版される予定でしたが、
モーツァルトの妻が、モーツァルトの作品として出版、
ヴァルゼック作曲「レクイエム」は、
モーツァルトの楽曲として世に出ることができました。
ジェスマイヤー版はあまりよくないという意見があり、
後年、他の編纂者によっての補筆完成版がいろいろとありますが、
結局、ジェスマイヤー版でいいのではないかと店長は思ってしまっています。
ジェスマイヤーは確実にモーツァルトと同じ空気を吸っており、
後年の編纂者は20世紀の最近の人がほとんどです。
科学的かもしれませんが、
いろいろ聞いてみて、やはり違うな、というのが店長の感想です。
レクイエムの名盤として、
カール・ベーム指揮ウィーン・フィル盤や、
ヘルマン・シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団の録音があります。
その他にも、数多くのレクイエムに接してきましたが、
ベーム盤やシェルヘン盤が優れているということには異論はありません。
古楽器の演奏者、指揮者もレクイエムは必ずといっていいほど録音していますが、
その中でも、ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリザンの演奏録音が、
かなり聞く価値が高いのではないかと思っています。
クリスティはフランス・バロック・オペラの再現に力を入れ、
多くの優れた業績を残していますが、
レクイエムもかなり劇的で、
しかも透明感を失わないという稀有の演奏録音でもあります。
録音は1994年と、少し古くなりましたが、
フィルアップされている「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も素晴らしく、
今のところ、
レクイエムを聞きたいと思うときには、
一番よくCDプレーヤーのトレイに入る演奏録音です。
関連記事
-
-
音盤紹介:ティントナーによるブルックナー/交響曲第4番
もう、10年以上前の話になってしまいましたが、 クラシックの廉価盤レーベルNAXOSから、
-
-
音盤紹介:映画「砲艦サンパブロ」サウンドトラック
店長は中学生、高校生の頃は映画少年で、 1週間に1度、お小遣いがないと2週間に1度(^^;
-
-
音盤紹介:セルによるベートーヴェン/交響曲第9番
今年も早10月、 年末がだんだんと近づいてきました。 年末になると、ベートーヴェン/交響
-
-
音盤紹介:ピノックによるヘンデル/「水上の音楽」
今年の夏は8月に台風が来たり大雨が降ったりと、 なかなか大変です。 大きな土砂災害に見舞
-
-
音盤紹介:アンセルメによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
今年の正月元旦、 ネット通販で買った エルネスト・アンセルメの3つのボックスが届きました
-
-
音盤紹介:ホーレンシュタインによるマーラー/交響曲第3番
阪神地方は、 地震があったり豪雨があったりとなかなか大変です。 と思う間に例年より早く梅
-
-
音盤紹介:クナッパーツブッシュによるワーグナー/「さまよえるオランダ人」
ワーグナー/「さまよえるオランダ人」は、 ワーグナーの初期に属するオペラですが、 傑作を
-
-
訃報:デヴィッド・ボウイ
ピエール・ブーレーズの訃報に接したと思ったら、 新年早々、デヴィッド・ボウイが亡くなった、
-
-
音盤紹介:ノイマンによるドヴォルザーク/交響曲第7番
少し遅いですが、明けましておめでとうございます。 2015年のお正月は、 寒かったですけ
-
-
音盤紹介:プラハ弦楽四重奏団によるドヴォルザーク/弦楽四重奏曲全集
店長のドヴォ7病...、 すなわち、 ドヴォルザーク/交響曲第7番にはまって抜けられない