音盤紹介:クレンペラーによるブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」
公開日:
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最終更新日:2016/08/01
音楽のこと
ブログをやっていて面白いのは、
ブルックナーやマーラーを取り上げると、
PVが跳ね上がるのに、
ハイドンやさまざまな作曲家の室内楽、
現代音楽などを取り上げると、
PVは非常に地味だということですね(^^;。
ベートーヴェンはまあまあですが、
やはり、日本でのブルックナーやマーラーの人気の高さが分かります。
で、今回はブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」。
しばらく、ブルマラ路線に走りましょうか。
第4番はその昔、
LP1枚に入ること、
また「Romantische」という表題がついているからか、
録音が多かったブルックナーの交響曲です。
店長も、確かカール・ベーム盤から聞き始め、
どれくらいの第4番を聞いてきたのか、
よくわからなくなっています。
久しぶりに、
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の
1963年のセッション録音を引っ張り出しました。
LP時代からの付き合いですから、
かなり古くから聞いていますが、
今回聞き始めて、「あれ?」と思ったのはその録音でした。
クレンペラーは木管楽器を際立たせるために、
弦楽器や金管楽器を少し小さな音で演奏させます。
また、ヴァイオリンは指揮者を挟んでの両翼配置で、
その独特の響きが特徴です。
「あれ?」と思ったのは、
その録音された音、音楽の透明さでした。
ブルックナーは非常に数多く録音されるようになってから、
癒し系から爆演系までさまざまなです。
構築型の演奏も多いですね。
その中で、
クレンペラー盤は独特の位置を占めています。
少し地味な録音ですので、
ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」の名演...
というような特集にはあまり出てこなかった記憶があります。
今回聞き直してみて、
その録音された音の透明さとともに、
音楽は他に指揮者に比べて劇性が強いはずなのに、
その表情が極めてニュートラルで、
しかも、金管楽器の「ここぞ!」という時の開放の仕方も半端ではないのに、
音楽自体が透徹して聞こえた...ということが、
非常な驚きなのでした。
この3年前、クレンペラーは第7番をセッション録音していますので、
同じように引っ張り出して今回聞いてみましたが、
非常に素晴らしい演奏録音ながら(特に第2楽章の寂寥感、
第3楽章、第4楽章の充実ぶりは凄いものがあります)、
第4番のような透明感はそれほど感じませんでした。
クレンペラーの第4番は、
以前はそれほど好きだった演奏録音ではありません。
でも、聞き直してみると、
「こんなに深い演奏だったのか」と驚かされました。
たまには古いLPやCDの虫干しをして、
いろいろ聞き直してみることが必要ですね。
オーディオ的にも、大変面白い録音です。
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