音盤紹介:クリーヴランド管弦楽団アンサンブルによる「日本の詩情」
公開日:
        
        :
                
        音楽のこと                
      
以前から、
日本の古い童謡や唱歌を室内楽やオーケストラにアレンジ、
録音されたレコードがたくさんあります。
多くはもちろん、日本の演奏者やオーケストラによる録音ですが、
その横綱級とも呼べる録音は、
なんと、海外の演奏者、オーケストラによるものです。
ひとつは1969年に録音された、
ジャン=ピエール・ランパルのフルート、
リリー・ラスキーヌのハープという、
往年のフランス人名演奏家による「春の海」というレコードで、
日本の作曲家矢代秋雄が編曲したものでした。
もうひとつは1982年に録音された、
クリーヴランド管弦楽団アンサンブルによる、
「日本の詩情」と題された、
やはり日本の作曲家三枝成彰(章)の編曲によるアルバムでした。
両方のレコードとも、
非常に録音がよく、
店長がオーディオにはまり込んでいた当時の録音ですので、
オーディオチェックなどにも使用していました。
LPで長い間聞いていたのですが手放してしまい、
最近、クリーヴランド管弦楽団アンサンブルのCD化されたものを入手、
久しぶりに聞くことができました。
ジャケットはレコードとまったく異なり、
最初見間違うところでしたが。
やっぱり録音がいいなあ...と思ったら、
レーベルはPHILIPSですが、
デジタル録音の高品質盤で有名になる当時の、
Telarcの社長と副社長が録音に携わっていたことを思い出しました。
道理で...という感じです。
もうひとつ大切なのは、
編曲のクオリティです。
日本のオーケストラや室内楽、独奏曲で録音されたものも聞いてきましたが、
三枝成彰による編曲が今聞いてもなお新鮮で、
各曲が清冽な叙情を湛えています。
三枝成彰は当時の売れっ子作曲家、アレンジャーでしたので、
安心して聞くことができます。
クリーヴランド管弦楽団アンサンブルは、
さすがに優秀なアンサンブルを聞かせてくれます。
店長はワーグナーやブルックナー、マーラーが聞く中心ですが、
演奏によってはかなり脂っこい音楽ですので、
やはり中和剤のような音楽を聞きたくなることも多々あります。
クリーヴランド管弦楽団アンサンブルは、
その中和剤として最適かもしれません。
日本人ですからね。
ジャン=ピエール・ランパルとリリー・ラスキーヌの「春の海」も、
探してみようかな。
関連記事
-  
                              
- 
              音盤紹介:ハイティンクによるマーラー/交響曲第7番アナログ録音とデジタル録音の端境期、 いろいろなLPが出ました。 CDが一般化する前のデ 
-  
                              
- 
              音盤紹介:レヴァインによるマーラー/交響曲第3番5月だというのに暑いですね。 大阪も30度を越え、 初夏というより真夏の暑さです。 夏 
-  
                              
- 
              音盤紹介:チッコリーニによるフランク/ピアノ曲集セザール・フランクという作曲家は、 「交響曲」とヴァイオリンソナタのCDがやたらと多く、 
-  
                              
- 
              音盤紹介:クナッパーツブッシュによるベートーヴェン/交響曲第3番「エロイカ」3月末に風邪を引き、 気温がなかなか上がらなかったことから、 ずっとその風邪を引きずった 
-  
                              
- 
              音盤紹介:クナッパーツブッシュによるブルックナー/交響曲第8番live今年は、 ハンス・クナッパーツブッシュというドイツの大指揮者が亡くなって、 50年になり 
-  
                              
- 
              音盤紹介:セルによるブルックナー/交響曲第8番廉価盤LP暑いし、 帯状疱疹を患っちゃうしで、 このところ更新が滞っていました。 帯状疱疹は放っ 
-  
                              
- 
              音盤紹介:安田里沙さんによる「Lisztへのオマージュ」LP時代から、 演奏者や楽器製造会社(多くはピアノですね)などから、 自主制作盤が数多く 
-  
                              
- 
              音盤紹介:アンセルメによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」今年の正月元旦、 ネット通販で買った エルネスト・アンセルメの3つのボックスが届きました 
-  
                              
- 
              音盤紹介:クレンペラーによるベートーヴェン/交響曲第9番1957LIVEベートーヴェン/交響曲第9番の話題が続きますが、 今回はオットー・クレンペラーの1957年 
-  
                              
- 
              音盤紹介:クナッパーツブッシュによるコムツァークⅡ世「バーデン娘」ウィンナ・ワルツは、 日本では(実際は世界中ですが) ウィーン・フィルのニューイヤーコン 



 
         
         
         
        