音盤紹介:ワルターによるドヴォルザーク/交響曲第8番
公開日:
        
        :
                
        音楽のこと                
      
ブルーノ・ワルターという指揮者は、
店長が子供の頃からあれこれ聞いてきた指揮者です。
店長がクラシックを聞き出す少し前(1962年)に亡くなっていますので、
それほど古い指揮者という言う印象はありません。
でも、1876年生まれで、
我がハンス・クナッパーツブッシュよりも
12歳も年長なのですね。
ウィルヘルム・フルトヴェングラーやオットー・クレンペラーよりも、
10歳年長です。
長じて、
ハンス・クナッパーツブッシュのことを勉強している時、
クナッパーツブッシュには自伝や書簡集はありませんから、
ワルターの自伝や書簡集がものすごく参考になりました。
クナッパーツブッシュとワルターは、
不倶戴天(^^;の敵同士みたいな関係なのですが、
同時代の空気を吸っていました。
ワルターはバイエルン国立歌劇場における
先輩指揮者であった関係から、
また、ウィーン国立歌劇場やザルツブルク音楽祭で、
ナチから逃れて(クナッパーツブッシュは追放されて)
同じ頃に活躍した指揮者ですので、
ワルターの自伝や書簡集にクナッパーツブッシュの名前は登場しませんが、
いろいろな裏事情などを知ることができました。
ワルターの演奏録音を最初に聞いたのは、
CBSが日本コロンビアから出ていたレコードで、
ベートーヴェン/交響曲曲第5番と、
シューベルト/交響曲第8番「未完成」ではなかったかと記憶しています。
当時の黄金カップリング「運命」「未完成」で、
カラヤン盤とワルター盤は、
双璧のようにして人気があったと思います。
店長が覚えているのは、
ワルターの写真が中央にあしらわれた、
金ぴかの豪華見開きジャケットです。
そして、マーラー/交響曲第1番は2番目(1番目はバーンスタイン)、第2番「復活」、第9番を聞いたのは、
ワルター盤が最初でした。
ワルターはドイツ、オーストリア系の指揮者だと思っていましたので、
ドヴォルザークには食指があまり動かなかったのですが、
ドヴォルザーク/交響曲第8番はいつの頃か持っていました。
でも、その前から、同じCBSやEMIのジョージ・セル盤や、
チェコのお国もの指揮者による演奏録音に接していましたので、
あまり強い印象がなく、
ワルターの第8番はそれほど聞かかないまま、
どんな演奏であったのか、ごく最近まで記憶の彼方でした。
そんな最近、
入手したCDに、
音楽評論家兼プロデューサー
平林直哉氏が2トラ38cmオープンリールから復刻した、
Grand Slam盤があります。
これには驚きました。
「え?こんなにいい音だったの?」ということと、
演奏の格調の高さと優れた情感に、
素直に、
「いい演奏、いい録音だなぁ」と感じてしまいました。
2トラ38cmのオープンリールテープは、
マスターテープにできるだけのクオリティを持っており、
店長も多重録音で音楽を作っていたころ、
デジタル録音はまだないころですので、
2トラ38にミックスダウンをしていました。
ワルターの2トラ38オープンリールは、
アメリカで市販されていたようですが、
日本で発売されていたことがあるのかどうか、
店長にはわかりません。
あったようなのですが...。
平林氏のGrand Slamというレーベルは、
SPやLPの復刻を盛んに行っていましたが、
最近は3トラ38からの復刻を積極的に行うようになりました。
これは大歓迎です。
マスターテープからLPレコードにするためには、
加工(イコライジング)が行われます。
2トラ38ではその加工が少なくて済み、
よりマスターテープに近い音を聞くことができます。
どれだけの音源が2トラ38で流通しているのか分かりませんが、
「あれもこれも復刻してほしい」と、
注文を付けたくなってしまいます。
今までのCDとは少し次元に違う音...が体験できますよ。
関連記事
-  
                              
- 
              音盤紹介:クナッパーツブッシュによるブルックナー/交響曲第8番クナッパーツブッシュのブルックナー、 セッション録音ばっかり取り上げてきましたので、 今 
-  
                              
- 
              音盤紹介:ハイティンクによるマーラー/交響曲第7番アナログ録音とデジタル録音の端境期、 いろいろなLPが出ました。 CDが一般化する前のデ 
-  
                              
- 
              音盤紹介:カラヤンによるワーグナー/「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽ワーグナーの「さまよえるオランダ人」以降のオペラは、 「ニュルンベルクのマイスタージンガー 
-  
                              
- 
              音盤紹介:カラヤンによるオペラ間奏曲集カラヤンは1989年7月16日、81歳で亡くなりました。 亡くなってから今年でもう、27年 
-  
                              
- 
              音盤紹介:ガラグリによるシベリウス/交響曲第2番店長は、 なぜかシベリウス/交響曲第2番を聞くと、 夏を思い描いてしまいます。 けっこ 
-  
                              
- 
              音盤紹介:ベルティーニによるマーラー/交響曲第3番いよいよ夏の到来です。 マーラー/交響曲第3番の季節です。 暑いのは嫌ですけど、 夏の 
-  
                              
- 
              音盤紹介:ヒューイットによるバッハ/イギリス組曲店長がまだ若いとき、 バッハのクラヴィア曲といえば、 グレン・グールドでした。 他にも 
-  
                              
- 
              音盤紹介:クーべリックによるブルックナー/交響曲第3番ラファエル・クーべリックって面白い指揮者ですね。 これほど、 セッション録音とライヴ録音 
-  
                              
- 
              音盤紹介:バルビローリによるマーラー/交響曲第5番このところ、LPの復活が凄まじいですね。 オーディオ・アクセサリー誌やステレオ・サウンド誌 
-  
                              
- 
              音盤紹介:安田里沙さんによる「Lisztへのオマージュ」LP時代から、 演奏者や楽器製造会社(多くはピアノですね)などから、 自主制作盤が数多く 



 
         
         
         
        