*

音盤紹介:ミュンシュによるブラームス/交響曲第1番

公開日: : 最終更新日:2014/04/27 音楽のこと

munch_brahms_1

ブラームス/交響曲第一番をはじめて聞いたのは、
中学生の終わり頃だったでしょうか。
たしか、廉価盤で出ていた、
エドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の録音だったと記憶しているのですが、
定かではありません。

その後、今まで数多くの同曲に接してきましたが、
もっともそれらしい演奏録音は、
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のEMI盤だったでしょうか。
第1番は第1楽章冒頭の陰鬱なティンパニーの音で
そのイメージが決まってしまうようなところがありますが、
クレンペラー盤の重厚な陰鬱さは、
まさに楽曲のイメージ通りでした。

その後(だったか)
シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団の録音がEMIから出て、
巷の評判もいいことからLPで買い、CDでも買いで、
気に入っていました。
その他では、クルト・ザンデルリンクの
シュターツカペレ・ドレスデンとの全集盤や、
カラヤンの新旧全集盤が好きです。

それでも、
ブラームス/交響曲第1番というと
ミュンシュのEMI盤がすぐに頭に思い浮かぶほど店長にとって好きな録音でした。
ところが、
ミュンシュには、
さらに古いRCAに録音したボストン交響楽団との録音があり、
これはLPで聞いたことがなく、
初めて聞いたのはCDになってからです。
結果、パリ管弦楽団盤も素晴らしいけど、
ボストン交響楽団盤もひじょうによかった、ということでした。
なにより、オーケストラが素晴らしく、
ミュンシュの指揮も推進力に満ちたもので、
ミュンシュのブラ1は、
これが基本なのではないか?
という思いでした。
今では、ボストン交響楽団盤の方が愛聴盤になってしまっています。

ブラームスの交響曲第1番は難産でした。
ベートーヴェンの呪縛、とよく言われますが、
周囲の煽りに乗って、優れた作品を世に出さなければならないと、
試行錯誤の連続だったようです。
職業指揮者の草分け的存在であるハンス・フォン・ビューローに、
「これはベートーヴェン/交響曲第10番とも呼べる優れた作品だ」と評され、
ブラームスの交響曲作曲家としての地位は不動のものとなりました。
もっとも、ブラームスは交響曲を4曲しか完成しませんでしたが。

第1楽章の重厚な陰鬱さで始まり、
感動的で開放的な第4楽章まで、
「ブラームスの気負い」というひとも多くいますが、
聞いていて退屈するところのない、
素晴らしい交響曲のひとつだと思います。
店長は、最近では第2番や第3番を聞くことが多くなりましたが、
たまに第1番のディスクを引っ張り出して聞き始めると、
たちまち、ブラームス・ワールドの虜になってしまうのでした。

関連記事

音盤紹介:テンシュテットによるワーグナー/「ワルキューレ」第1幕

ワーグナー「ニーベルンクの指環」は4部作のオペラで、 休憩日を挟み、4日かけて上演されます

記事を読む

音盤紹介:クナッパーツブッシュによるワーグナー/「ニーベルングの指環」4部作

「ニーベルングの指環」4部作は、 ワーグナーが1848年から1874年というかなりの期間を

記事を読む

音盤紹介:サラステによるシルヴェストロフ/交響曲第5番

クラシック音楽から発展した「現代音楽」というと、 頭から敬遠する人がたくさんいます。 訳

記事を読む

音盤紹介:クレンペラーによるブラームス/交響曲第4番

ブラームス/交響曲第4番は第1楽章の泣き節で有名ですが、 そのほかの楽章も素晴らしく魅力に

記事を読む

音盤紹介:クリュイタンスによるラヴェル/「ラ・ヴァルス」

「ボレロ」は チェリビダッケのかなり特殊な演奏録音を取り上げてしまいましたが、 本来であ

記事を読む

音盤紹介:プラハ弦楽四重奏団によるドヴォルザーク/弦楽四重奏曲全集

店長のドヴォ7病...、 すなわち、 ドヴォルザーク/交響曲第7番にはまって抜けられない

記事を読む

音盤紹介:クナッパーツブッシュによるブルックナー/交響曲第5番

さらにクナッパーツブッシュのブルックナーが続きます(^^;。 今回は交響曲第5番。

記事を読む

音盤紹介:クルムホルツのハープ音楽

明けまして、おめでとうございます。 あらいぐま堂のブログは2016年初更新です。 店長も

記事を読む

音盤紹介:セルによるブルックナー/交響曲第8番廉価盤LP

暑いし、 帯状疱疹を患っちゃうしで、 このところ更新が滞っていました。 帯状疱疹は放っ

記事を読む

音盤紹介:クナッパーツブッシュによるベートーヴェンの新盤

ORFEOから、 ハンス・クナッパーツブッシュの、 新しいCDがリリースされました。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ARGENTUM 520 試聴記 その2

デビュー当時の一時期、 飛ぶ鳥を落とすほどの勢いがあっても、

ARGENTUM 520 試聴記 その1

ARGENTUM 520が我が家に届いて、 早速、普段いろいろモ

QUADRAL ARGENTUMシリーズ販売開始...ただし、楽天とYahoo!です

あらいぐま堂を中心に販売する、 QUADRALの新しいスピーカー、A

ヤフオクでHAMILEXのTVボードを販売中です

あらいぐま堂では楽天、Yahoo!ショッピングストア、amazon

また、新しいフォノイコライザーを買ってしまった

MUSICA RAICHO3 PHONO、合研LAB GK06SP

→もっと見る

PAGE TOP ↑