*

音盤紹介:ハイティンクによるベートーヴェン/交響曲第9番

公開日: : 音楽のこと

hitenk_bee9

2016年ももう12月、
第9の季節になりました。
といっても、店長は年がら年中、
気が向いたら第9を聞いていますので、
年末だけ第9というわけではありません。
コンサートホールでも、
多くの第9を聞いてきましたが、
最近は少しご無沙汰しています。

第9といえば、
懐かしいCDがあります。
店長にCDの価値を思い知らせ、
普段聞くメディアを、
LPから一気にCDに変えしまったCDが、
ハイティンクの第9だったのです。

CDのまだ初期の頃、
店頭に並ぶCDの種類はあまり多くありませんでした。
その中で巡り合ったのが、
ベルナルト・ハイティンク指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の、
1980年ライヴ盤ベートーヴェン/交響曲第9番でした。
全集とは別の録音です。
このCDが国内でリリースされた当時、
店長はLPをせっせと購入していました。
まだ、CDは持っていませんでした。
店長がCDプレーヤーを買うきっかけになったのは、
LPでは発売されなかった
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルの
マーラー/交響曲第9番ライヴ盤ですが、
CDプレーヤーを買い、
そして最初に買ったCDがこのハイティンクの第9だったのです。

CDを初めて聞いた時には驚愕しました。
なんせ、無音の中から音が立ち上がってくるのですから。
LPではPCM録音とはいえ、
針を落とした瞬間から、
サーフェスノイズやそのほかのノイズが聞こえてきますが、
デジタル録音された演奏を収録したCDでは、
当たり前のごとくそれらのノイズはありません。
それと、ダイナミックレンジの広大さには驚きました。
LPではレコードにするためにリミッターがかかっている場合が普通ですので、
「どこまでもフォルテシモ」をLPで実現すると(無理ですが)、
さて、そのLPがちゃんとトレースできるか、
音が割れないかなどが問題になります。
CDではそのことをあまり気にしないでも済みます。
あとはアンプとスピーカーの問題です。
ハイティンクの第9第4楽章の合唱部分を初めて聞いた時には、
その第4楽章終結部の「どこまでもフォルテシモ」が、
何の問題もなく再生されてゆくのに、
ものすごい快感がありました。
特に第4楽章終結部は、
LPではちゃんと再生され、それなりの音圧で聞ける...
ということは希でしたからなおさらです。

CD初期当時から、
LPの音の方がいいとか、
CDの方がいいとか、
議論はありますが、
店長はLPとCDの音は分けて考えています。
扱いはCDの方が圧倒的に楽ですが。
LPの音がいいと思えば、
LPを聞けば済むだけの話で、
LPの音をCDに求めるのは筋違いだと思っています。
異なる仕様のメディアなのですから。

ハイティンクの第9は録音もよく、
演奏も中庸を得て大変優れています。
中庸といっても面白みがないということではなく、
ライヴ盤ではけっこう情熱もあり、
安心して聞ける安定感があります。
最初にリリースされたCDは既に廃盤ですが、
元のレーベルPHILIPS盤をDECCA盤として、
数年前に復刻されたようです。

関連記事

音盤紹介:クリーヴランド管弦楽団アンサンブルによる「日本の詩情」

以前から、 日本の古い童謡や唱歌を室内楽やオーケストラにアレンジ、 録音されたレコードが

記事を読む

音盤紹介:レヴァインによるマーラー/交響曲第3番

5月だというのに暑いですね。 大阪も30度を越え、 初夏というより真夏の暑さです。 夏

記事を読む

音盤紹介:シェルヘンによるベートーヴェン/交響曲第8番

ベートーヴェン/交響曲第8番って、 それほど積極的に聞こうという人は少ないのではないでしょ

記事を読む

音盤紹介:クルムホルツのハープ音楽

明けまして、おめでとうございます。 あらいぐま堂のブログは2016年初更新です。 店長も

記事を読む

音盤紹介:反田恭平によるリスト/ピアノ曲集

お盆から更新が滞ってしまいました。 忙しかったせいもありますが、 やはり暑さに少し負けて

記事を読む

音盤紹介:ホグウッドによるヴィヴァルディ/「四季」

ヴィヴァルディ/「四季」は、 「和声と創意への試み」という協奏曲集に含まれている4つの協奏

記事を読む

音盤紹介:ヴァルヒャによるバッハ/オルガン小曲集

オルガン音楽... というと、クリスマスに聞く特別音楽、 というイメージをお持ちの方も多

記事を読む

音盤紹介:フルトヴェングラーによるワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」

ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」は、 今聞いても、かなり危険なオペラです。 その豊饒

記事を読む

音盤紹介:ケルテスによるドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」

ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」は、 その昔、交響曲第5番でした。 店長がクラ

記事を読む

音盤紹介:クナッパーツブッシュによるチャイコフスキー/「くるみ割り人形」

店長はハンス・クナッパーツブッシュが大好きで、 入手できるだけの演奏録音はたいがい揃えたと

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ARGENTUM 520 試聴記 その2

デビュー当時の一時期、 飛ぶ鳥を落とすほどの勢いがあっても、

ARGENTUM 520 試聴記 その1

ARGENTUM 520が我が家に届いて、 早速、普段いろいろモ

QUADRAL ARGENTUMシリーズ販売開始...ただし、楽天とYahoo!です

あらいぐま堂を中心に販売する、 QUADRALの新しいスピーカー、A

ヤフオクでHAMILEXのTVボードを販売中です

あらいぐま堂では楽天、Yahoo!ショッピングストア、amazon

また、新しいフォノイコライザーを買ってしまった

MUSICA RAICHO3 PHONO、合研LAB GK06SP

→もっと見る

PAGE TOP ↑