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音盤紹介:映画「砲艦サンパブロ」サウンドトラック

公開日: : 最終更新日:2017/05/19 音楽のこと

店長は中学生、高校生の頃は映画少年で、
1週間に1度、お小遣いがないと2週間に1度(^^;、
映画館に足を運んでいました。
どちらかというと、
海外の作品が多く、
大作映画には目がありませんでした。
最近は、目を病んでから映画館にいるのが辛く、
足が遠のいてしましましたが、
たまにDVDやオンデマンドの映画を見ることがあります。

今まで、おびただしく見てきた映画の中で、
最も印象に残っている作品の一つに、
ロバート・ワイズ監督「砲艦サンパブロ」があります。
1926年頃、孫文が死に、
蒋介石が実権を握ったころ、
外国排斥の空気が中国に蔓延し始めた時代の、
揚子江の上流での出来事を舞台にした映画です。
もちろん、映画を見た一番の理由は、
ファンだったスティーブ・マックィーンが主演だったからですが。

映画音楽はジェリー・ゴールドスミスでした。
確か、ジェリー・ゴールドスミスの大作映画の最初の音楽ではなかったかと思います。
テレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の音楽で、
既に名前を憶えていました。
この後、「トラ!トラ!トラ!」や「パットン大戦車軍団」などが続きます。

映画は中学2年生くらいの頃、
大阪梅田のロードショー(懐かしい言葉ですね)封切館、東映パラスで見ました。
このころの大作映画には、
序曲が幕の開く前に流れることが多かったのですが、
「砲艦サンパブロ」にも、
短いながら序曲がありました。
この序曲がなかなか素晴らしく、
中国の弦楽器や打楽器がリズムを奏でる中、
中華風メロディーが美しく演奏され、
映画の内容を伺わせるように悲劇的に盛り上がります。
スクリーンの幕が開き、
暗い画面の中でメインタイトルで同じく中国の打楽器のリズムに、
重く陰鬱な音楽が暗い画面に流れ、
音楽が悲劇的に盛り上がるのと同時に、
明るさを増す画面に巨大な中国のサンパン、
そのサンパンに抱きかかえらるように砲艦サンパブロが浮かび上がるシーンは、
なかなかに忘れ難いです。

LPでサウンドトラックを購入、
さらに後年にはレーザーディスクやDVDも買ったのですが、
1997年再録音で、
ジェリー・ゴールドスミスが自ら指揮、
サウンドトラックのスコアを演奏したCDがリリースされました。
ところが???、
あれ?、聞き慣れた序曲ではなく
「愛のテーマ」が序曲に組み入れられて流れてくるではありませんか!
元の序曲はどうした!あれが聞きたいのだ!
と怒りに狂った店長は、
さらに4種類のCDを買う羽目に陥ってしまいました。
結果、最近出ている2枚組CDや、
1997年録音でも輸入盤には、
序曲のオリジナルバージョンが(OLTANATE)とカッコつきで収録されていました。

たぶん、あまりに中華風のメロディが、
他の誰かの作品と似ていた...とか、
中国的過ぎてアメリカでは受けが悪かった、
などの理由が考えられますが、
やはり、オリジナルの序曲はとっても素敵です。
画像のCDは、オリジナルLPと同じ曲目曲順ですが、
LPからの復刻であったのか、少し音は悪いです。
でもこの序曲は、
「トラ!トラ!トラ!」のメインタイトルと双璧の、
アジアンテイスト満載のゴールドスミス節を聞くことができます。

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